すぐに、パパがお花を飾ってくれました。
おうちに帰ってきました。星柄で、クルちゃんぽい。
そうして、お玄関は寂しくなりました。
暑いし、長くおうちにそのままでいることは出来ないので、翌朝、葬儀会社にいったん遺体の安置をお願いして、火葬するのは、私と姉が立ち会える夜にしてもらいました。家から送り出すのは父と母。葬儀は時間に余裕をもって設定したつもりが、この大雨で交通事情が混乱。会社を早くに出て、姉を拾って、ぎりぎりセーフ。大幅に時間外でしたが、時間外料金わずか2000円で、とってもよくしていただきました。
実は、ボクの亡くなる前夜、ボクに会えた最後の夜、私はものすごく疲れて機嫌が悪くて。いつもより優しく甘えさせてあげることが出来ていませんでした。ごくごくいつもの1日だったけど、ボクが生きているという、それだけで最高に幸せな1日だったというのに。今思えば、(私の態度に)怒っているボクの様子が、怒ってるというより気力を失ってるという感じだったけど、あの日の私は、また明日にはすっかり仲直りできてる、と、もちろんすぐ反省したけどしつこくは謝らずに軽くベタベタしてから寝てしまったのでした。その翌朝、ボクが旅立った当日も、目覚ましより先に一度目が覚めて「あぁ、雨降ってる。こりゃ、クルちゃん、お父さんとお散歩行ってないな。早く起きて会社行く前に連れていかな!」と、ちょっとだけ面倒と思いつつ、ちょっとだけ甘い気持ちでウダウダしていたら、姉が「クルが動かん!!!」と顔面蒼白で駆け上がってきたのでした。そっから、スローモーション。
まさか、今日だなんて。みんないるのに、誰もいない間になんて。青天の霹靂というのか、まさに不意打ち。あの別れが最後だったなんて。あまりに心残り過ぎて。すべてが悔やまれて悔やまれて。
確かにボクは、私が最後に見た姿のまま、本当に眠るようにキレイに可愛く、ただ動かなくなっていました。歯を食いしばるでなく、何かを吐いてるでなく、泡を吹いてるでなく、舌をダランと出してるでなく、目を見開いてるでなく。身体の下に敷いたタオルは全くよれておらず、頭は枕代わりのタオルに載せたまま。恐らく、苦しんではいないと思います。眠ってる間に、間違ったみたいに心臓が止まったみたいに。それは、私も祈ったような、あやかりたいような最後だけど、そのはずだけど、きちんとお別れを出来なかったということが悔やまれて仕方ありませんでした。
でも、火葬の前の棺の中のボクの姿は、本当に本当に可愛くて。お腹いっぱいで眠る満足した子犬のようでした。あのお顔を見て、やっと変なマイナスな考えは全部流れて、お別れできたと思います。ボクに悔いがあったら、あんな顔はしてないはず。最初から最後まで愛されたことしかない顔を、ちゃんとしてくれていました。なんの心配もなく、かわいく眠る顔。葬儀屋さんの歴史の中でも、あんなカワイイ、きれいなままの遺体は例が無いのではないかと。親の欲目なしにそう思った!(←だからそれが親の欲目)。お骨になっても、骨粗しょう症でボロボロでは・・・と思っていたら、立派な骨格がキレイに残って、葬儀屋さんにも褒められて、最後まで誇らしかったです。どうもありがとう。本当に最後の最後までボクのお蔭。ダメなおばちゃんでごめんね。
この大雨がおさまったら、来週には梅雨が明けるのかもしれませんね。そして、本格的な夏。生きていれば、きっと本当に大変なキツイ夏になることだったのだろうと思います。ボクにとっても、お世話をする家族(特に父母)にとっても。しかし、父が、最後まで本当にお利口やった。」と言ってましたが、「家族に迷惑になると分かって、その前に1人で逝って(お利口)」という部分では、私は実はそうではないと思う(笑)。そんなに良い子なボクなので、ちゃんと神様が見てくれていたのではないかと。ちょうど良いところで、神様が誘ってくれて、「わぁ〜」とついて行ったのではないかと。家族がいたら、家族と離れたくないボクは、本当に苦しくなるまで死ねないので、家族が起き出す直前に、上手い具合に誘われたのでは(笑)。ボクにとっては、多分、間違いなく、このうえないベストなタイミングだったと思います。それなりに痛かったり苦しかったりはしたかもしれないけど、最後まで食べれて、歩けて、賑やかに家族と過ごして、おおむね穏やかで平和なうちに、気付かないうちに鼓動が止まってた。
約12年。この時期だからこその、この12年を一緒に過ごせて、本当に幸せでした。どうもありがとう。かわいいかわいいクルタ。5月に亡くなったおばあちゃんに、ママが頼んでくれたから、ばあちゃんの傍で待ってて下さい。かわいがってくれるし、何より、私達よりずっと頼りになるからね。
また会う日まで。決して忘れません。まだしばらくは、目が足が、ボクを探して、泣いてしまう日が続くと思うけど、変なペットロスにはなりません。頑張って生きて、いつか、迎えに行くからね。待っててね。
ものすごーく、ものは試し、で唯一デジカメに残っていた動くボク。実物は10割増しカワイイので、あしからず。(注)小さいけど音が出ます。